Exhibition “Distant Drums” at colissimo & rizm, Hyogo
July 25, 2015「遠い太鼓」という名の写真展を開きます。
濱田英明写真展 「遠い太鼓 / Distant Drums」
会期:8/1(土)~ 30(日)の金・土・日のみ
時間:11:30~18:00
場所:colissimo / rizm
料金:無料(8/2はイベントにつき、rizmはイベント参加者のみ入場可能)
http://colissimo.jp/journal/event/6259/
8/2(日)は、オープニングイベントとして、Studio Journal knockの西山 勲さんと一緒にトークをさせていただきます。世界中を旅しながら本をつくってきた西山さんと、旅について、写真についてお話ししたいと思います。また、盟友ともよべるミュージシャン、森ゆに、田辺玄( Water Water Camel)、haruka nakamuraによる三人編成による音楽ライブ「道行きの音色」も開催します! ゆにちゃんは新しいアルバムをリリースしたばかり。新曲もお披露目されると思います。僕以外が素晴らしく豪華。ほんとうに見逃せないイベントになると思います。ぜひご参加ください!
http://colissimo.jp/journal/event/6239/
この展示の題名は村上春樹氏の同名エッセイ本からの引用です。この写真展をあらわすのにぴったりだと思い、この言葉をお借りしました。本書は、氏が30代後半に3年ほどヨーロッパをめぐった日記のような記録であり、その間にあの『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』という長編小説、そしていくつかの短編を書き上げたそうです。僕にとっては、はじめて手に取った大学生の頃から、何度となく読み返した大切な一冊です。実は、本書のタイトル自体もトルコの古い民謡からの引用であり、こんな言葉で幕を開けます。
遠い太鼓に誘われて
私は長い旅に出た
古い外套に身を包み
すべてを後に残して
僕はつい数年前まで、年齢でいうと35歳まで一度も飛行機に乗ったことがありませんでした。海の向こうどころか日本の本州から出ることも稀だったのです。いいえ、外への憧れがなかったわけではありません。むしろ影響を受けたもののほとんどが海の向こうからやってきていたのです。しかし、人が生まれてからそれだけの年月を、人生の半分を同じ場所で過ごすということは、もう一生海外に行くことはないだろうなどとさえ思わせてしまうものです。ところが、写真を始め、それを仕事にすることで、僕の人生は急転していきます。この3年のあいだ、台湾を皮切りに、リトアニア、シンガポール、マレーシア、インド、エジプト、アメリカ、フランス、ドイツ、ラトビア、そして日本国内のいたるところ・・・ なにかの音に誘われるようにして僕は旅を続けてきました。今となってはかつての自分は何を恐れていたのだろうと、世界は広がりながら同時に身近になっていくのを実感しています。奇しくも同じく30代後半の3年間という、村上氏の体験に重ね合わせるのはあまりにも畏れ多いのですが、僕が彼の地で出会った人々の生きている姿や、もしかすると一生出会うことがなかったかもしれない風景をみなさんにお見せできればと思っています。また、会場となるcolissimoとrizmは、2年前にこけら落としとして僕が国内初の写真展を開催させていただいた思い入れの深い場所でもあります。旅を経てこの場所に戻ってこれたこと、貴重な機会を与えてくださったオーナーの前中さんに感謝いたします。ぜひみなさまお誘いあわせのうえお越しください。